GAFAを代表格として、大きく成長したスタートアップでは創業メンバーでなくとも富裕層に仲間入りするチャンスがある。それがストックオプション(SO)だ。
ストックオプションとは、会社があらかじめ定めた価格(権利行使価額)で自社の株式を購入できる権利を社員や取締役に付与する仕組みだ。権利行使価額と比べて、株式売却時の株価が高ければ高いほど大きなリターンを得ることができる。
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海外では、GAFA以外にもAirbnbやSnowflake、DoorDashといった大型スタートアップがここ数年で上場している。
しかし2021年の調査によると、こうした企業で権利行使にかかる従業員1人あたりの平均コストは約50万ドルだ。仮にその後、500万ドルで保有株を売却できるとしても、いち従業員が50万ドルを捻出するのは一般的に相当難しい。
こうした初期コストを支払えないという理由で泣く泣くオプションを行使しないという事例は海外ではよくある話で、実際にSnowflakeだけでも12億ドル以上のオプションが未行使となっている。
それを解決するスタートアップがある。Equitybee(エクイティビー)だ。
Equitybeeは、一言で表すと「ストックオプションのマーケットプレイス」だ。ストックオプションを保有しているが初期コストを用意できない従業員と、新たな投資先を探している投資家とを結びつける。これにより、従業員はストックオプションの恩恵を受けることができ、投資家も魅力的なリターンを得ることができる可能性がある。
スタートアップエコシステムが発展してきたからこそ生まれたビジネスであり、WeWork創業者のアダム・ニューマンは同社の150万ドルのシードラウンドを主導している。
今回の記事では、Equitybeeを創業した経緯、そのビジネスの詳細な仕組みを紐解いていこう。