苦境メルカリ、「日本ユーザー」「米売上高」初の減少 決算と方針を解説
メルカリ

大胆な投資でトップラインの拡大を続けてきたメルカリの成長が鈍化している。地盤の日本で直近の利用者数が減少し、頼みの米国も減収に転じた。

全体規模の拡大は続くが、2022年6月期の最終損益は再び赤字を計上。成長性や収益化への不安から、時価総額は前の期のピークから3分の1まで下がった。

山田進太郎CEOは「世界的なマーケットプレイスをつくる」という大目標の下、日米以外の国でも成長機会を探る姿勢を改めて強調している。決算から、メルカリの今と成長方針をひもとく。

従業員1人の生産性、600万円増

8日発表した2022年6月期の本決算は、売上高が前年比39%増の1470億円。業績を公表している7年前から、高い成長率で過去最高値の更新を続ける。2018年のIPO後の4年間では、約4倍の規模に育った。

国内フリマアプリの「メルカリJP」事業が13%増の850億円と全体の6割を占める。スマホ決済の「メルペイ」も40%増の242億円となり、2大事業の順調な伸びが成長をけん引している。

特にメルペイは、自社フリマ以外での決済による収入が急拡大。65%増の144億円とメルペイ売上高の60%を占め、占有率は前の期から10ポイント上昇した。iD決済対応店で使える利便性の高さもあり、利用者は1345万人になった。

全体規模の広がりを背景に、労働生産性も高まっている。「高い技術力への投資が長期の成長を支える」(山田CEO)とエンジニアを中心に積極採用を続け、6月末の従業員数は2209人と2021年6月末から約500人増えた。

従業員1人あたり売上高は6656万円で、前の期(6050万円)から600万円増えた。山田CEOは「ボーダーレスな組織構築に継続して取り組む」と述べ、6月下旬にはインドで開発拠点を設立。グローバルで採用拡大も続ける意向だ。

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