10X矢本真丈CEOインタビュー「競合は楽天、ネットスーパー比率15%の世界作る」
小売エンタープライズに特化したEC/DXプラットフォーム「Stailer」(ステイラー)を提供するスタートアップ・10XがGMV(流通取引総額)前年比3倍というハイスピードで成長しているようだ。
創業は2017年だが、2020年5月にStailerを開始して以来、イトーヨーカドー、ライフなどの、小売大手への導入が次々と進んでおり、業界の注目度が高い企業の一つだ。
Stailerの特徴は、リアル店舗を持つ小売店が、基本的に初期費用が少なくネットECを始められる点だ。もともとネットスーパーを持っていたイトーヨーカドーのような大手のリプレースも可能だ。
昨年7月にはDCMベンチャーズやANRIから約15億円を調達。Stailerプラットフォームの流通総額について、今後2年で10倍以上を目指すという。
10X創業者である代表取締役CEO矢本真丈氏は丸紅やNPO、メルカリなどでプロダクトマネージャーとしての経験を積み、起業した人物だ。創業当初は自力でネットスーパーをやろうとしていたこともある。
(10X の概算による)
日本のグロサリーEC化率は海外に大きく劣り、たった1.5%しかなく、成長余地が大きい。日本の小売業が抱える課題に自ら体当たりし、内側から改革しようとしている10Xが、今何をしているのか。
ネットスーパーが抱える問題点と、同社の成長戦略について、矢本氏に話を聞いた。