絶好調スノーピーク:コミュニティ施策でファンを魅了、海外展開も本格化へ
ハイエンド向けのアウトドア商品を手がけるスノーピークの株価がうなぎのぼりだ。3月の底値からの上昇率は実に7倍。コロナ前の水準はとうに超えている。
業績も好調だ。2020年12月期の売上高は前年比17.6%増の168億円、営業利益は61.6%増の15億円。ともに過去最高を大きく更新した。
コロナ禍でアウトドア需要が拡大しただけではない。同社がこれまでに築き上げたブランド力が威力を見せ、グローバル戦略も実を結んだ。
「人生に、野遊びを」という理念を掲げ、ファンを魅了し続けるスノーピーク。その生い立ちと戦略に迫っていこう。
1958年に前身が設立されて以来、スノーピークは現在に至るまで「世襲人事」の会社だ。創業者は山井幸雄(以下、敬称略)。
幸雄は東京生まれだが、第二次世界大戦で焼け出されて新潟の三条市に移る。15歳の頃から金物卸問屋で働き、家族の生活費の足しにしていたという。