マッキンゼー(後編)中興の祖マービン・バウワーが大事にしたこと
(中編からの続き)
コンサルティングファームとして随一のブランドを築き上げたマッキンゼー。創業者ジェームズ・マッキンゼーは貧しい生まれにコンプレックスを抱き、勉学に励む若者だった。
会計を専門とする学者として実績を残すと、著作を読んだ経営トップが顧客となる形でコンサルティング事業をはじめる。ジェームズ自身は「コンサルタント」と名乗らず、「経営工学士」と名乗った。
学位を持った専門家を中心に組織をつくると、その中にいたのがマービン・バウワー。世界的ブランドとしての「マッキンゼー」を作り上げた中興の祖である。
1937年にジェームズが急死したことで、バウワーは若くしてマッキンゼーを率いる立場となる。1939年に3人のパートナーとともにファームを買い取り、再出発を図る。このとき、バウワーはまだ35歳の若造に過ぎなかった。
今回の後編では、バウワーたちが「マッキンゼー」というブランドをどのように構築したかを紐解く。そこにあったのは、プロフェッショナル・ファームというまだ見ぬ業態を実現する明確なビジョンであった。