AI技術を用いた画像解析サービスなどを提供する「ニューラルポケット」が東証マザーズへの新規上場を承認されました。
足元の業績を見てみると、2020年12月期1Qの売上高は1億6,320万円で、前年比5倍以上の急成長となっています。営業損益は2,535万円で、黒字転換した2019年4Qに続き、増益を果たしています。
足元の業績が極めて好調に見えるニューラルポケット。上場申請書の内容を元に、どんな会社なのかを紐解いていきましょう。
ニューラルポケットの設立は2018年1月ということで、かなり新しい会社です。
代表の重松 路威氏は1980年生まれ。
東大工学部・同大学院を卒業後、2006年にマッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。2016年1月にはマッキンゼーのパートナー(共同経営者)にも就任しています。
CTOの佐々木 雄一氏も只者ではありません。
佐々木氏は1986年生まれで、東大理学部物理学科(いわゆる「理物」)を卒業後、同大学院で理学博士を取得。
2011年4月にはスイスの欧州原子核研究機構(CERN)において、 ブラックホールや超対称性粒子などの研究を主導しました。なんと、ノーベル賞受賞のヒッグス粒子発見にも、共同研究者として貢献しています。
研究者として、世界最大級のビッグデータの分析やAI開発を世界に先駆けて行っていました。2014年9月にはマッキンゼーに入社し、(株)クロスコンパスを経て2018年6月にニューラルポケットに入社。
CEO・CTO以外にもCOO、CSOなど、いわゆる「C」がつく肩書きのメンバーはほとんどがマッキンゼーを経ているのが、組織としての大きな特徴。
「顧問」として入っているシニフィアン株式会社は、元ミクシィ社長の朝倉 祐介氏が共同代表を勤めている会社。有名な松尾 豊教授も顧問として名を連ねています。
これだけ多くのマッキンゼー出身者を集めて、ニューラルポケットはどんな事業を展開しているのでしょうか?
ニューラルポケットは、自社の事業について「AIエンジニアリング事業」と説明。独自のAIアルゴリズムを用いて、顧客に提供する「AIサービス」を創出しています。
いわゆる深層学習(ディープラーニング)を開発していますが、汎用のオープンアルゴリズムは転用せず、独自の学習データを使って精度の高いモデルを実現しているそう。
具体的に展開しているのは、「スマートシティ関連」「サイネージ広告関連」「ファッショントレンド解析関連」の三つのサービス。