GMやフォード全盛の1950年代、アメリカ車の驚異的な「高燃費」とは

前回のつづき)

世界で自動車が普及する中で、初めに圧倒的な成果をあげたのが「フォード」です。

1908年に発売された「T型フォード」は、1927年までに1,500万台も売れ、アメリカで走る車のうち、3分の2がT型フォードだったと言われています。

1920年の市場シェアは60%におよび、2位のGM(ゼネラル・モーターズ)は13%に過ぎず、GMを育て上げたウィリアム・デュラントは、業績不振によって会社を去らざるを得ませんでした。

GMをトップ企業に育てたアルフレッド・スローン

デュラントの引退は、GMを好転させるためのきっかけとなりました。

20世紀において、最も偉大な経営者の一人とされるアルフレッド・スローンが、新しい指導者として登場することになったのです。

1923年、スローンは48歳にしてGMの社長となりました。

今となっては意外ですが、1925年以降アメリカの自動車市場は成熟化のきざしをみせ、新規需要は頭打ちになりました。

代わりに出てきたのが「買い替え需要」です。それまでのT型フォードでは満足できなくなった消費者たちが、もっと快適で楽しいクルマを求め始めたのです。

同時期、「クローズドカー」と呼ばれる屋根付きのクルマが本格的に普及しはじめました。

当初は雨風をしのぐのが目的でしたが、次第にクローズドカーが作り出す「空間」や「雰囲気」が消費者の間で注目されるようになります。

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