空飛ぶバイクから大麻版コストコまで!Y Combinatorの2019冬バッチから特に面白い企業をピックアップ

先日、Y Combinatorの2019年冬バッチのデモデーが開催されました。投資先が増えすぎて、今回は200社を超える企業が採択されたそうです。

そこで今回は、今回のデモデーに登場したスタートアップの中から、特に興味深いと思ったサービスを13社ご紹介したいと思います。どれもスタートアップとして日が浅く、公開情報は多くありませんが、ワクワクするようなアイデアばかりです。

CO2フリーのガソリンを作る「Prometheus」

まず気になったのは、「Prometheus」というスタートアップです。

大気中の二酸化炭素を吸収して「ガソリン」に変えるテクノロジーを開発したとしており、1ガロンあたり3ドルで作れるとのこと。

EIAによると、アメリカにおけるガソリン価格は1ガロン2ドル台後半。少し割高ではあるものの、完全にカーボンニュートラルということで、成功すれば大きなインパクトがありそうです。

小型衛星を格安で打ち上げる「Loonify Space」

2社目は衛星の打ち上げシステムを開発する「Loonify Space」。

小型衛星に特化し、ハードウェアは既製品を利用してソフトウェアの開発に特化しているそうです(つまり、ロケットの開発は行わない)。「世界初のアジャイルな小型衛星ローンチシステム」を標榜しています。

中国の図書館版Netflix「Socrates Intelligence」

続いては、中国の「Socrates Intelligence」です。

中国には、国民48万人あたり1つしか図書館がないらしく、膨大な人口を十分に支えるだけの供給が行われていないそうです。(日本は4,741館で、2.7万人に1つほど)

NetflixのDVDレンタル事業と同じような形式で本を郵送で借りることができます。年間56ドルで一度に3冊まで借りられるとのこと。

なんでもベッティングできてしまう「Kalshi」

Kalshiは、いわば「なんでも『賭け』にしてしまう」サービス。カテゴリごとに質問が並び、それぞれ「どうなると思うか」選択することで、ベットすることができます。

ユーザー自身が質問(=賭けのテーマ)を作り出すこともでき、質問に答えたユーザーが賭けた金額の合計が、賭けた金額の大きさにしたがって、正解者に分配されるという仕組み。

問題はサービスの適法性ですが、FAQを読むと「キュラソー島(Curacao)ではライセンスを取得している。あなたの場所で合法かどうかは自分で判断してね」とのこと。

創業者はレバノン出身のTarek氏と、ブラジル出身のルアナ氏。二人ともMITでコンピュータサイエンスと数学を専攻しています。

キャリア不要、分散型スマホメーカー「Volk Wireless」

Volk Wirelessは、データ通信無料のAndroidスマートフォンを作る会社です。

なぜデータ通信が無料になるかというと、スマートフォン同士で分散型ネットワークを作るから。創業者の一人、グレッグ・ハゼル氏はBittorrentのチーフ・アーキテクトだった人物です。かなり野心的なプロジェクトですね。

大麻版コストコ「Flower Co. 」

Flower Co.は、いわば「マリファナのコストコ」です。会員になれば、大量のマリファナをバルクで格安購入することができます。ウェブサイトによると、通常価格と比べて68%も安くマリファナを購入できるそうです。

ブザウザ拡張でワンクリック決済「Encarte」

Encarteは「Google Chrome」の拡張機能を使って、ワンクリック決済を導入することができるサービス。ブラウザのオートフィル機能と比べても10倍速く購入できるため、EC事業者側としても売上を増やす効果が見込めそうです。「allbirds」などの人気D2C企業も利用。

時速240km超で飛ぶ飛行型バイク「Jetpack Aviation」

個人的には、この会社が一番みててワクワクしました。世界初の飛行型モーターサイクル。最高速度は時速150マイル(241km)を超えます。

サンフランシスコからマウンテンビューまで10分で飛行できるそうです。距離にして60キロくらいなので、単純計算で時速360キロですね。。

最長飛行時間は30分程度ということで、長時間の飛行は難しそう。軍事目的(救命)バージョンも発売する予定です。プレオーダー受付中。価格は1万ドルということで、意外にお手頃(?)という印象。

人の7倍セールス力がある販売ロボット「Taobotics」

Taoboticsは中国のスタートアップで、スーパーマーケット向けに自動走行ロボットを開発しています。

人員スタッフをロボットに変えるだけで30%のコスト削減ができることに加え、プロモーションしたい商品を置いておけば、人間の7倍もの販売力があるとのこと。

スマホカメラでカード決済「Dyneti Technologies」

Dyneti Technologiesは、スマホカメラを使ってクレジットカードをスキャンできるツールを開発しています。

クレジットカード番号を入力するのは非常に面倒なため、ユーザーが離脱する大きなポイントとなります。また、番号さえあれば使えるということで詐欺も頻発します。

カメラを使ってスキャンすることで、詐欺の抑止率を50%以上にまで高め、事業者の売上を5%向上させる効果が見込めるとのこと。

コーヒーを自動で注文してくれるIoT「Bottomless」

Bottomlessは、コーヒーギーク向けのIoT製品です。いつも使っているコーヒー豆の入った袋を乗せておけば、重量が軽くなった時に自動で注文してくれるというサービス。

なかなかニッチサービスのような気もしますが、年間36ドルのサブスクリプションサービスとして提供しています。2016年に夫婦で創業したとのこと。

中国人学生のアメリカ企業への就職を支援「CareerTu」

CareerTuは、中国人学生向けの就活支援サービス。WeChatベースでアメリカに住んでいる中国人学生を主なターゲットとしています。

GoogleやAmazon、Facebookなど、アメリカの一流テクノロジー企業に就職できるということで、すでに16万人が利用、年間70万ドルの売上が出ているそうです。

アメリカ版Pinduoduo「Friendshop」

Friendshopは、その名の通り「友人とショッピング」することができるサービス。化粧品などに特化しており、グループ購入することでディスカウントを受けることができます。

アメリカ版Pinduoduoともいうべきサービスで、創業者は女性。「女性による女性のためのショッピングサービス」を標榜しています。

さて、英語でリサーチするなら?

全体として非常に目立ったのは、アメリカにとどまらない、本当にいろんな国のスタートアップが参加しているということ。今回とりあげていない中でもアフリカや南米など、本当に多岐にわたっています。

さて、海外の情報を集めるにあたって必要なのが「英語力」です。「海外マーケットをリサーチをしたい」「海外の事業者/投資家とコミュニケーションを取る必要がある」と思っていても、なかなか英語の勉強が進められていない方も多いのではないでしょうか。

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