eBayは1995年にピエール・オミダイアにより「オークションウェブ」として始まりました。
1996年には累計720万ドルの取引が行われ、インターネットの比較的初期にも関わらずかなりのスピードで普及したようです。
1997年に名前が「eBay」となり、1998年にナスダックに上場。
2002年には決済サービスの「PayPal」をおよそ15億ドルで買収します(eBay Completes PayPal Acquisition)。
その後も世界最大級のオンライン・マーケットプレイスとして成長を続けますが、近年はAmazonが強いこともあり、かなり地味な印象です。
また、2015年にはPayPalを再びスピンアウトしています。
Eコマース分野の歴史の中で、eBayは最初に大成功して成熟段階に入ったほとんど唯一の企業です。
そんなeBayがどんな経営をしてきたのか、決算数値という観点から読み解いてみたいと思います。
まずはいつも通り、損益の推移を見ます。
2000年の売上高は4億ドルでしたが、2014年には179億ドルにまで達しています。
しかし、PayPalのスピンアウト後の2015年には売上86億ドル、営業利益22億ドルと、事業規模が半分になってしまいました。
上のグラフを見ると、2014年まで急成長を続けたように見えてしまいますが、そのうちeBayの収益はどのくらいあったのでしょうか?収益内訳の変化を見てみましょう。
やはり、大きく見えた成長のほとんどはPayPal(Payment)のものでした。Marketplaceの成長は2007年ごろに鈍化し、2013年以降はほとんど横ばいになっています。
収益比率の変化もみてみます。