今回は「SAP」が80億ドルで買収することを発表したユニコーン企業「Qualtrics」について取り上げます。
Qualtricsは2002年、当時24歳だったRyan Smith氏によって創業されました。
ブリガムヤング大学MBAコースの教員だった父・Jared氏が研究データ集計に苦労していたのを目にし、データを効率良く集めるためのシステムを開発します。
Ryan氏は兄・Scott氏の協力を得てこれを事業化し、大学向けのデータ集計ツール「Qualtrics」の提供を開始しました。
(Bloomberg: How One Family Built $8 Billion Startup Far From Silicon Valley)
2010年に顧客数1,000校を突破し、リサーチャー向けツールとしてターゲットを拡大していきます。
2012年、セコイア・キャピタルとアクセル・パートナーズからシリーズA投資を受けます。
その翌年にはアイルランド・ダブリンにオフィスを開設し、海外進出を開始。
昨年にインサイト・ベンチャー・パートナーズを加えたVC3社から追加出資を受け、評価額25億ドルに達してユニコーン企業の仲間入りを果たしました。
2018年10月にIPOを申請してNASDAQ上場を控えていましたが、11月12日に「SAP」が80億ドルで買収することを発表しています。
(Form S-1)
上場申請資料によると、2017年の通期売上は2.9億ドルで営業黒字化も達成しています。
2018年の9か月間で前年と同程度の売上に達しており、急速な成長を遂げていることがわかります。
SAPがIPOの予定評価より約60%のプレミアを付けてまで買収したQualtricsは一体どのようなサービスを提供しているのでしょうか。
Qualtricsはアンケート作成を起点としたリサーチ支援ツールを提供しています。