(前編の続きです)
その後もTwitterは、何度もサーバーダウンを繰り返しながら爆発的に成長していきました。
ジャック・ドーシーは慣れないながらもCEOを務め、会長のエヴァン・ウィリアムズがドーシーを鍛え上げようとしていました。
ところが当時のドーシーは、社員に対して高圧的に当たることが多く、口調もなぜか独裁者めいているという体たらく。
努力はしていたものの、自分ではどうすればいいか分からなくなる場合も多く、オーナーのエヴァン・ウィリアムズも苛立ちを募らせていきます。
しかも午後6時になると退社して絵を習ったり、ホットヨガに通ったり、ドレスメーキングを習ったりと「社外活動」に勤しむようになりました。
有名になるにつれて社外の交友関係も増え、セレブの仲間入りを果たしつつある自分に酔いしれていたそうです。
相変わらずサーバーダウンが続くにも関わらず、現実逃避的に「社外活動」を楽しむドーシーを見て、エヴァン・ウィリアムズは愛想を尽かします。
ドーシー自身はトレードマークだった鼻ピアスを外すなど「努力しているつもり」でしたが、当時の彼にとって急成長ベンチャーのCEOという役割は荷が重かったようです。
一定の猶予期間を設けた後にジャック・ドーシーはTwitterのCEOを解雇され、実権のない会長職になりました。2008年10月のことです。
ドーシー自身は当然、そのことに腹を立てます。
実はそれまで、Facebookのマーク・ザッカーバーグはドーシーとの間でTwitterの買収について交渉を進めていました。
ドーシーはそのことについて説得されかけていたのに、いきなり運転席から放り出されたわけです。
ドーシーはFacebookへの転職を本気で考え、実際にザッカーバーグに連絡を取ったそうです。
しかし十分な役職を得られないということでFacebookへの入社は無限延期となりました。
(もしもドーシーがCEOのままだったらFacebookに買収されていたかもしれないと思うとすごい話です)
TwitterのCEOをクビになってしばらくの間、ドーシーは旅行したり休暇を楽しんでいました。