今回は、アメリカでオンライン融資サービスを展開する「LendingClub Corporation(LC)」を取り上げます。
LendingClubは2007年創業で、創業者はフランス出身のRenaud Laplanche氏です。
Laplanche氏は1970年にフランスで生まれ、大学でビジネス法を専攻したのちMBAを取得。それから1999年までの5年間は弁護士として働いていました。
1999年に弁護士をやめ、データベース検索ソフトの会社「MatchPoint」を起業。
MatchPoint社は2005年にオラクルに買収され、1000万ドルの現金を手にします。その後、2年間オラクルで働いたのち、1年のサバティカル休暇を計画。
しかし7週間でとりやめ、LendingClubを創業しました。
サービスの開始は2007年の5月で、当初はFacebookアプリケーションとしてスタート。
Facebookユーザー同士の融資をマッチングするという内容でした。
信用に乏しい若者を中心に大きな話題をよび、エンジェル投資家やシリコンバレー銀行から1200万ドルの資金を調達。
競合に先んじて証券委員会への登録を済ませることで急拡大につながり、peer to peer(P2P)レンディング業界で最大のシェアを持つようになります。
2014年には上場を果たし、「フィンテック」というワードの広がりとともに今後注目される企業だと考えられていました。
しかし、上場後の業績は良いとは言えない状態です。
2017年の収益は5億7454万ドルでした。2014年に上場して以来、収益は増加が続いていますが、ここまで4期連続の営業赤字です。
この赤字の原因は、Fintech業界全体の不振によるものとも言われています。
また、2016年には創業CEOのLaplanche氏が不正な取引で辞任するなど、スキャンダルもあります。
今回は、LendingClubの事業内容やP2Pレンディングを取り巻く環境について整理してみたいと思います。
LendingClubの事業は「peer to peerレンディング」と呼ばれるものです。