日本を代表するゲーム企業である任天堂について調べる。
任天堂は昭和22年、京都市に「丸福」の名前でかるた・トランプなどのメーカーとして発足した。現在は子会社27社と関連会社5社から構成され、ゲーム専用機の製造・販売を主な事業としている。
関連会社には株式会社ポケモン(議決権の所有割合32%)や、『星のカービィシリーズ』の知的財産を管理する株式会社ワープスターなどが含まれている。
任天堂単体の従業人数は2016年3月時点で2066名、平均年齢は37.8歳、平均勤続年数は13.5年とのこと。平均年間給与は891万円ということで高給の部類だ。
損益の推移を見てみる。2015年度の報告書を見ると、売上高がかなり右肩下がりで、5000億円を割りそうになっていた。
任天堂の全盛期について、きちんと知っているわけでもなかったので、EDINETで得られる情報の中で最も古いデータまで遡って見た。
2008年度には売上高1.8兆円を超えていた。その後、売上は急速に減少し、現在はかつての3分の1以下である5000-6000億円の間で単調に減少している。
2009年度くらいまでは収益性も悪くなかったようだが、2011年度に売上が一兆円を割ると、赤字に転落。現在はなんとか下げ止まりといったところ。
さらに過去のデータも見ると、任天堂の売上が一兆円を超えたのは2007年以降だったので、2007年から4年間、一兆円を売り上げる企業だったということになる。
任天堂の資産・負債内容の比較(2008年度と2015年度)
任天堂が稼ぎ出す収益は2008年と比べて大幅(3分の1以下)に減少したが、そこで当時と2015年度の資産・負債の内容をバランスシートから比較してみる。
意外なのは、利益剰余金の大きさがほとんど変わっていないことだ。大きな赤字や黒字がないとまあこうなるのか。一方で現金や有価証券からなる流動資産、そして買掛け金などからなる流動負債がかなり小さくなっている。
全体に占める割合は小さいが、投資有価証券の額は2008年度の547億円から1257億円にまで増加している。
近年はポケモンGo(Niantecと提携)やスーパーマリオラン(DeNAと提携)などに見られるように、外部との提携によって打開を図ろうとする流れが見える。
こうした動きによって近い将来に全く違ったビジネスモデルを確立することができるのかが見ものだと思う。