フィットネス機器のサブスクリプションを展開するPeloton Interactiveが9月10日に発表した2020年6月期通期決算は、最終損益が8,910万ドルの黒字に転換した。
2020年4〜6月期の売上高は6億710万ドルで、前年比172%増と大幅な加速だ。営業利益についても9,000万ドルと、上場後初となる営業黒字に転換した。
COVID-19感染症の拡大は、フィットネス業界にも大幅な転換を強いた。その中で恩恵を受けたのが、家庭内で行うデジタルフィットネスを展開するPelotonだ。
かねてよりPelotonユーザーのエンゲージメントは高かったが、巣篭もりにあって信じられないほど高い水準に達した。今もっとも注目のフィットネス企業と言えるPelotonの動向について、決算報告の内容を紐解いてみよう。
Pelotonの事業において非常に重要な要素が、コアサービス『Connected Fitness』の有料会員数だ。
Connected Fitnessの有料会員数は足元で109万1,100人。前年比で113%増と、こちらも大幅な加速だった。
Pelotonではこれに加えて、アプリ限定の「デジタル有料会員」もいる。こちらは前年比210%増の31万6,800万人にのぼっている(決算発表時点では50万人超え)。総メンバー数は310万人にのぼり、前年の140万人から倍増した。
Pelotonのデジタル会員版は、月額12.99ドルから始められる廉価版プランだ。スマートフォンアプリでいつでも、どこでもフィットネスを開始することができる。
デジタル会員は、それ自体で稼ぐというよりは「オールアクセス版(Connected Fitness会員)」への入り口としての役割だ。2019年12月に価格も19.49ドルから引き下げられて以来、会員数は爆発的に伸びている。
PelotonのデジタルコンテンツはAmazon Fire TVやAndroid、Apple TV、そしてRokuといった4大OTTテレビ配信プラットフォームで利用できるようになった。今後、デジタル会員がどのように伸びていくかにも注視したい。