先日、American Express(以下Amex)の時価総額を超えたことでも話題になったPayPalの決算が発表されました。
現状様々なプラットフォームが展開されており、そのプラットフォームの上で様々なアプリケーションが展開されていますが、アプリケーションレイヤーがプラットフォームを超えたというのはなかなかない中で、PayPalというプラットフォームにのっているアプリケーションレイヤーが、プラットフォームの一つの時価総額を超えるという事実は見逃せない点だと思います。
それではPayPalの決算を見ていきます。
まず、売上と営業利益を見てみます。
売上は32.39億ドル(前年同期比21%増)、営業利益は4.23億ドル(前年同期比21%増)となっています。
次に、BSを見ていきます。
一時的に顧客から預かっている資金の運用方法として、短期投資(25.91億ドル)、長期投資(22.17億ドル)、貸付金が(63.21億ドル)となっており、中でも貸付金の伸びが大きくなっています。
次にKPIを見ていきます。
アクティブアカウント数は2.18億人(前年同期比13%増)、トランザクション数は19億回(前年同期比25%増)、合計のトランザクションボリュームは1140.45億ドル(前年同期比30%増)となっています。
アクティブアカウント数の増加だけでなく、一人当たりのトランザクション数も増えています。
次に、US国内と国外について見て見ます。
US国内の売上は17.43億ドル(前年同期比21%増)、国外の売上は14.96億ドル(前年同期比22%増)となっています。
最後に、個人間送金アプリのVenmoについて見て見ます。
個人間送金については、日本でもKyash、Paymo、ヨロペイ、LINE Payなどがありますが、USであると、AppleのApple Pay Cash、GoogleのGoogle Wallet、SquareのSquare Cash、FacebookのMessenger Payment、銀行連合のZelleなどプラットフォーム同士が激しい戦い繰り広げています。
中でもZelleは、2017年の1Qと2Qで336億ドルを送金しているとされており、Venmoを大きく引き離しています。
ただVenmoは、元祖個人間送金アプリである先行優位性やPayPalの加盟店で決済できるようになるなど、今後も成長していく余地が十分にあり、どこまで伸びていくのか、楽しみです。(というかPayPalの加盟店で使えなくてもここまで伸びてきたいうのがすごい。)