1896年に創刊し、現在も世界でもっとブランド力のあるニュースメディアの一つ、ニューヨーク・タイムズ紙の業績を見てみる。
まずNYT紙は過去にピューリッツァー賞という報道やジャーナリズムに関する権威ある賞を117回も受賞しているのである。それに対しウォールストリートジャーナルは39回の受賞となっており、この事からも分かるように、ニューヨーク・タイムズはジャーナリズムを大切にし読者からの信頼も厚いメディアなのである。
そんなニューヨーク・タイムズ紙も他の新聞社同様にPCやスマホの台頭による紙の需要の減少やメディア情報のウェブ化に伴いう新聞の販売数の減少による広告収入が減少した企業のひとつである。
まず同社の業績を見てみると2006年に約3800億円あった売上は過去10年間で減少を続け、2015年で約1500億円と半減してしまったのである。
出所:MorningStart
一方新聞の販売減少が避けられない中、デジタルでの有料会員のを着実に伸ばして来ている。2014年のQ3には87万人だったデジタル有料会員数は2016年Q3で133万人となっている。
世界各国のデジタル新興メディアや老舗メディアがオンラインでのマネタイズの方法を模索している中、NYT紙はこれだけデジタル有料会員を増やしているとはさすがである。
出所:NYTimes Annal report, Statista
また同社はNYT紙はデジタル戦略に注力するとしていおり、ネイティブ広告、デジダル有料会員の増加、様々なSNSプラットフォームでのプレゼンスの向上など、様々な新しい事業を模索している。ちなみに同社のインスタグラムのフォロワーは200万人となっている。
下記の表は同社が投資している、新聞事業周りの企業である。メディアにとって大きな収益源であるイベント事業を展開するWomen in the World Media, LLC などにも投資している。
会社 | 事業 | Ownershiop |
Donohue Malbaie Inc. | 製紙会社 | 49% |
Madison Paper Industries | 製紙会社 | 40% |
Women in the World Media, LLC | イベント事業 | 30% |
ジャーナリズムを崩さない為にも、収益源の確保は全メディアだけでなくNYTにとっても試練の場である。