スポンサー料を伸ばすマンチェスターユナイテッド
Manchester United Ltd.

マンチェスターユナイテッドは説明するまでも無くバルセロナFC、レアル・マドリードに並ぶ世界のサッカーチームの中でも最も有名で、多くのサッカーファンを魅了するスポーツチームです。サッカー以外のスポーツを含めても最も成功しているスポーツチームの一つです。

マンチェスターユナイテッドは1878年にNewton Heath LYRとして発足します。LYRとはLancashire and Yorkshire Railwayの略で、当時イングランド北部地方でも大きな鉄道社でした。鉄道会社で働く社員たちが、他の部署や他の鉄道会社のチームと対戦したり、「Association Football」というスポーツを楽しんでいました。1880年11月には中田英寿選手も所属していたボルトン・ワンダラーズと対戦し6-0で大敗するなど100年以上も前から盛んにサッカーが行われていました。

(画像: Manchester United HPより)

その後Newton Heathはグランド設備などの運営が厳しくなり資金難に陥りました、当時の金額で£2,670の負債を抱えて混んでおり、チームは消滅の危機に陥り、資金繰りに奔走しました。当時Newton Heathのチームキャプテンだった、Harry Staffordはペットとして「Major」と名付けたセントバーナード犬を飼っていました。ある日ペットのMajorは迷子になり、とある女の子の所に行き着きます。キャプテンのHarry Staffordは逃げ去ったペットを探し出し、Majorを見つける事ができました。その女の子の父親 はJohn Henry Daviesというマンチェスターの裕福な醸造所で、女の子がMajorの事を大変気に入っていたので、Daviesはこの犬を売って欲しいと申し出ましたが、Staffordはこれを断りました。そうこうするうちに二人は仲良くなり、John Henry DaviesはNewton Heathへ援助投資する事を決断します。 Daviesはそのままクラブのオーナにーなり、1902年にManchester Unitedに名前を変更しました。

またマンチェースターユナイテッドは1958年にドイツのミュンヘンへで飛行機事故で、乗っていた23名が亡くなるなど大変な悲劇を経験しています。


業績

マンチェスターユナイテッドは2012年8月にNYSEに上場しました。2017年5月末時点で2.76B(2700億円)の時価総額になっています。レベニューは2009年の2億7847万ポンドから2016年の5億1535万ポンド(約700億円規模)へと約2倍の成長を見せています。

(出所: Form 20-F)


セグメント情報:

マンチェスターユナイテッドのセグメントは主にCommercial事業、Broadcasting事業、Match Day事業があります。

●Commercial事業はスポンサー収入、リテール&アパレル、プロダクトライセンス、モバイルコンテンツなどです。2016年の売上は£268.3million (約382億円)でした。

●Broadcasting事業は世界各国へのプレミアリーグの放映権、ヨーロッパーリーグの放映権、その他放送の放映権が含まれます。2016年は £140.4 million(約200億円)でした。

●Match Day事業はマンチェスターユナイテッドのホーム地スタジアムであるOld Traffordでの試合からのレベニューです。イギリスで最も大きなスタジアムで75,643席を確保する事ができます。過去18年の席の稼働率が99%となっており、ホームでの試合観戦は大変人気があります。ホーム戦のゲーム数でレベーニューは多少上下しますが、2016年は £106.6 million(約150億円)でした。


(出所: Form 20-F) 


スポンサー収入:

更に現在の一番の伸びを見せているCommercial事業を分解してみると、スポンサー料が一番伸びているのが分かります。スポンサー契約は各国のグローバル企業とマンチェスターユナイテッドのコマーシャルチームが直接交渉して決定されます。スポンサー企業はロゴの使用権、マンチェスターユナイテッドTV、ウェブサイト、スタジアムでの露出、選手インタビューのバックウォールのロゴ掲載などが含まれます。マンチェスターユナイテッドはグローバール企業のマーケティングやブランディングのパートナーとして今後もスポンサー収入を伸ばしていく計画を立てています。その中でもアジアでのプレゼンスを高める事がマンUのスポンサー料の拡大になるとしています。2016年のスポンサー企業は20世紀Fox、アディダス、シボレーなどに加え、日本からも関西ペイント、日清フーズ、東芝メディカルなどがスポンサーとして参加しています。

スポンサー料は2012年には6310万ポンドだった売上は2016年の1.6億ポンドへと拡大しています。

(出所: Form 20-F)


ユニフォームのスポンサーは2000年〜2006年がボーダフォン、2006年〜2010年がAIG、2010年〜2014年がAon、2014から2021年の契約がGMのChevroletとなっています。年々ユニフォームのスポンサー料は上がっているようです。

(出所: Form 20-F)


(画像: mirror.co.uk)