ベガコーポレーションは福岡に本社をおく家具・インテリアのEコマースを営む企業。2004年に有限会社として設立されたのち、2016年に東証マザーズに上場。家具・インテリア系Eコマースとして、実店舗を持たずにインターネットのみで店舗展開を行うのが特徴。
売上高は2011年度の約34億円から2015年度には83億円を超えるまで成長。2016年度の売上高は100億円を超える見込みだ。事業自体は順調に成長していると言える。
去年の有価証券報告書によれば、事業の特徴は「商品企画小売型のビジネスモデル」にあるらしい。
①自社での生産体制は有しておらず、
②自社で抱えるプロダクトデザイナーによるオリジナル商品の企画や顧客の意見を参考とした商品開発
③主に中国・東南アジア及び欧州の工場に製造を依頼し、直接貿易を行うことで商品仕入原価を抑え、よりリーズナブルな価格を実現する
以上の3点が特徴。
当初はリアル店舗を持たないいわゆる「ドロップ・シッピング」形態から事業を始めたこともあり、拡大する中でこういう形に落ち着いたのかもしれない。
次に、直近の決算説明会資料(2017年3月期 第3四半期)を見てみる。
第3四半期の売上高が79億円に対して粗利(売上総利益)が42億円。粗利率は約53%。営業利益率は約8%。
コストの内訳。固定費2億円、人件費3億円、販売関連費が7.6億円。販売関連費には販売手数料と荷造配送費が含まれているとのこと。ここにコストがかかっているんだな。
次に、どの商品ジャンルがどのくらい売れているのかを知りたい。2016年3月期の有価証券報告書によれば、EC事業は「リビング・ダイニング家具」「ベッド・寝具」「その他」の大きく3つに分かれるようだ。そのほかにデジタルエンターテイメント事業というのもあるらしい。販売実績を円グラフにまとめる。
リビング・ダイニング家具が60億円ほどとEC全体の70%以上を占めている。続いてベッド・寝具が18億円、その他が5億円。
EC事業の仕入れ実績は44億円ほど。EC全体の販売実績が83億円なので、粗利はほぼ半分ということになり、冒頭のデータと一致する。
2016年3月期には、EC以外に「デジタルエンターテイメント事業」の販売実績が8億円ほどある。なんと、スマホ向けゲームの開発を行っていたらしい。。 この事業は子会社の(株)NubeeTokyoで行っていたが、「神界のヴァルキリー」をマイネットに事業譲渡し、2016年1月から清算手続きを進めているとのこと。今はもうなさそう。